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お知らせ

【ニュースリリース】視覚認知に基づいた統計量による磁区パターン画像から物理の解析

2021年07月01日

ハードディスクや変圧器などに使われる磁気材料には、通常、上向きスピンと下向きスピンによる磁区パターン※1が観察されます。この磁区パターン画像は、磁気材料の特性と強い関係がありますが、磁区パターンの定量的な評価が行われていないことが問題になっています。 庄野逸教授(情報学専攻)らの研究グループは、高次脳機能が関わる人間の視覚認知に基づいた統計量(PSS)に着目し、これを用いて「迷路構造」や「島構造」といったさまざまな磁区パターンを定量的に評価できることを示しました。これにより、画像から直接、物理パラメータを推定できるようになります。
磁区パターンを定量的に評価できるようになれば、磁気材料を用いた機器の性能向上につながるほか、今まで他の計測手法に頼っていた物理量推定に貢献できる可能性があります。
※1 磁区パターン:磁気材料に現れる磁区のさまざまな画像パターンのこと

磁気材料と磁区パターンには強い関係性があります。磁区パターンの解析は、磁気材料の性能向上に貢献することが知られていますが、画像の特性を定量的な表現に落とし込むことが困難なことからこれまで定量的な評価は行われていませんでした。 そこで今回、磁区パターンの高精度なテクスチャ(画像)解析を目指し、人間の視覚的認知に基づく高次元のテクスチャ特徴量(統計量、PSS)のパラメータから、テクスチャ構造を生成する手法を提案しました。
磁区パターンの距離空間の調査と、物性パラメータの推定の結果、迷路構造や島構造などの磁区パターンを定量的に評価できることを確認しました。
磁区パターンのこうした解析結果を考慮することで、ハードディスクや変圧器などのほか、強磁性体を使った最先端のデバイスなど、磁気材料を用いるさまざま機器の高性能化に寄与できると考えています。

詳細はPDFをご覧ください。